レジンコーティングとは|レジン被膜の正体とガラス・セラミックとの違い

「レジンコーティング」「レジン被膜」という言葉を見かけて、ここにたどり着いた方が多いと思います。
レジン(resin)とは樹脂のことです。つまりレジンコーティングとは、車のボディを樹脂の膜で覆う施工のこと。ガラスコーティングが「ガラスの膜」なら、こちらは「プラスチックに近い膜」だと考えてください。
この記事では、レジン被膜が何でできていて、ガラスやセラミックと何が違い、どれくらい持つのかを整理します。そして最後に、アルファがレジンコーティングをメニューに置いていない理由も正直にお話しします。
「うちの車はどれを選べばいい?」を今すぐ相談したい方へ
レジンコーティングとは|「樹脂の膜」でボディを覆う施工
レジンコーティングは、高分子化合物(樹脂)を主成分としたコーティング剤を塗り込む施工です。日本では「ポリマーコーティング」と呼ばれることのほうが多く、実質的にほぼ同じものを指しています。
「レジン被膜」とは何か
塗り込んだ樹脂が乾くと、塗装の上に薄い膜ができます。これがレジン被膜です。厚みは非常に薄く、目で見て分かるものではありません。
この膜がすることは2つです。
- 塗装の細かい凹凸を埋めて、光を反射しやすくする(=艶が出る)
- 塗装と外気のあいだに1枚はさまる(=汚れが直接つきにくくなる)
ワックスをイメージすると近いです。実際、成分としてはワックスの延長線上にあります。違いは、ワックスが油分中心なのに対し、レジンは合成樹脂を使うぶん持ちが少し長いという点です。
もうひとつ知っておいてほしいのは、レジン被膜は「塗装を厚くするもの」ではないということです。膜の役割は、塗装のいちばん外側にある透明な層(クリア層)を、汚れや紫外線から一時的にかばうこと。塗装そのものを補強したり、へこみを埋めたりはできません。
ここを誤解したまま施工すると、「コーティングしたのに傷がついた」という結果になりがちです。膜の役目は、あくまで塗装の身代わりだと考えてください。
ガラスコーティングとの決定的な違いは「有機か、無機か」
ここが一番大事なところです。レジン被膜は「有機質」、ガラス被膜は「無機質」です。
有機質とは、炭素を骨格に持つ物質のこと。プラスチックや木、油などが仲間です。共通する弱点があります。紫外線と熱で、時間とともに分解されていくのです。
一方の無機質は、ガラスや石、金属の仲間。紫外線を浴びても分解されません。だから同じ「膜」でも、寿命がまったく違ってきます。
耐久年数はアルファのコーティング種類別の比較によるものです
コーティング4種類の比較
市場に出回っているものを性能順に並べると、こうなります。
| 項目 | ポリマー(レジン) | ガラス系 | 純ガラス | セラミック |
|---|---|---|---|---|
| 主成分 | フッ素・シリコン | 樹脂+ガラス繊維 | 高純度シリカ | セラミック・チタン |
| 被膜硬度 | 柔らかい | 2H〜4H | 7H〜9H | 9H〜13H |
| 耐久年数 | 3〜6ヶ月 | 6ヶ月〜1年 | 3〜5年 | 5〜7年以上 |
| 洗車傷への強さ | × | △ | ◯ | ◎ |
| 酸性雨・鳥フンへの強さ | × | △ | ◯ | ◎ |
「ガラス系」と書かれた製品の多くは、成分の大部分が樹脂で、そこにガラス繊維が少し入っているだけです。名前は似ていても、純ガラスとは別物だと考えてください。詳しくは車のコーティングの種類の比較記事にまとめています。
レジンコーティングの利点は「雨ジミが落としやすい」こと
レジンにも、ちゃんと得意なことがあります。それが雨ジミ(イオンデポジット)への強さです。
雨ジミの正体は、水が乾いたあとに残るミネラル分です。これは無機質。そして無機質どうしは相性がよく、ガラス被膜の上では固着しやすくなります。
ところがレジン被膜は有機質なので、性質の違うミネラル汚れがなじみにくい。ついても洗車で比較的落としやすいのです。
屋外に駐車していて、雨ジミに悩まされている方がレジン系を選ぶ理由はここにあります。理屈としては正しい選択です。
ただし、これは「ガラス vs レジン」の話ではなくなってきました
雨ジミはガラスコーティングの弱点として長く語られてきましたが、現在は親水性・滑水性のガラス系被膜や、耐薬品性を高めたセラミック被膜で対策できるようになっています。「雨ジミが嫌だからレジンしかない」という状況ではありません。
レジンコーティングの限界|3〜6ヶ月で効果が薄れる
ここからが、レジンを選ぶ前に必ず知っておいてほしいことです。
1. 持ちが短い
有機質の膜は、紫外線・エンジンの熱・酸性雨で少しずつ分解されます。ポリマー(レジン)系の持ちは3〜6ヶ月。純ガラスの3〜5年と比べると、10分の1以下です。
「一度施工したら数年もつ」ものではなく、季節ごとに塗り直す前提の施工だと考えてください。
2. 傷を防ぐ力はほとんどない
レジン被膜は柔らかいため、洗車傷や飛び石を防ぐ役割は期待できません。艶を出す膜であって、守る膜ではないと考えてください。
「コーティングをしたのに洗車傷が増えた」という相談をいただくことがありますが、柔らかい被膜だけで済ませていたケースが少なくありません。
3. 塗り直しのたびに費用と手間がかかる
1回あたりは安く済みます。ただし年2〜4回塗り直すことになるため、3年、5年という単位で見ると差は縮まっていきます。そのうえ塗り直しのたびに車を預けたり、自分で作業したりする手間がかかります。
今ついている被膜がレジンかどうかを確かめる
「前の店で何を施工されたか分からない」というご相談はよくいただきます。確実なのは施工店に聞くことですが、手がかりはいくつかあります。
- 施工価格:ポリマー(レジン)系は価格帯がいちばん低い層にあたります
- 保証の有無と期間:数ヶ月単位、または保証なしであれば有機系の可能性が高くなります
- 施工にかかった時間:磨きと下地処理を含む施工は1日では終わりません。短時間で仕上がったものは、塗るだけの施工だったと考えられます
いずれも決定的な判断材料ではありません。次の施工を検討する段階で、下地処理から見直すのがいちばん確実です。
市販のレジン系コーティング剤で、どこまでできるのか
カー用品店には、レジン系・ポリマー系のコーティング剤がたくさん並んでいます。「これで十分では?」と思う方も多いはずです。
正直に言うと、艶を出すという点では市販品でも効果はあります。塗れば光りますし、水も弾きます。これは事実です。
差が出るのは、塗る前の工程です。
- 下地処理:塗装表面の鉄粉・古い被膜・水シミを落とし、磨いて平らにする工程。ここを飛ばすと、汚れの上に膜を乗せることになります
- 密着処理:アルファでは全車にガスグラスプライマー処理(イトロ処理)を行い、塗装面と被膜が化学的に結びつく状態をつくっています
- 硬化の管理:温度・湿度を管理した屋内で硬化させる工程。屋外では被膜がきれいに固まりません
市販品は「塗る」工程しか担当できません。だから同じ成分でも、持ちと仕上がりが変わります。市販コーティング剤で何ができて何ができないかは、市販品の限界を検証した記事で詳しく書いています。
「自分の車の状態だと、どこまで戻る?」——①車種・年式 ②今のコーティングと施工時期 ③気になる症状 をお送りください
LINEで相談するアルファがレジンコーティングを扱っていない理由
ここは正直にお話しします。アルファのメニューにレジンコーティング(ポリマーコーティング)はありません。扱っているのはガラスコーティングとセラミックコーティングだけです。
理由は「レジンが悪いから」ではありません。アルファの作業の組み立てと合わないからです。
アルファのコーティングは、時間の大半を磨きと下地処理に使います。塗装の状態を整え、密着処理をして、屋内で硬化させる。ここまでやるからこそ、被膜が3〜5年、セラミックなら5〜7年以上もちます。
ところがレジン被膜は、どれだけ丁寧に下地をつくっても3〜6ヶ月で分解されます。手間に対して結果が残らないのです。
「安く仕上げてほしい」というご要望であれば、レジン系を年に数回塗り直すより、下地からきちんとつくって長くもたせるほうが、結果的に負担が少なくなると考えています。これがアルファの立場です。
コーティングが向かないケースもあります
すべての車にコーティングが必要だとは考えていません。乗り換えの予定が近い場合や、保管環境によっては費用に見合わないこともあります。判断の目安はコーティングが無駄になる条件をまとめた記事に書きました。
では何を選べばいいか|3つの判断基準
迷ったときは、次の3点で考えると整理できます。
もう少し細かい比較は、セラミックコーティングの解説とコーティングの持ちの違いにまとめています。フッ素コーティングもレジンと同じ有機系なので、あわせて読むと違いが見えてきます。
料金は車の大きさ(M/L/LL)で決まります。自分の車のサイズは車種別サイズ表で確認できます。金額はこのすぐ下の表と、料金プランにまとめています。
▶ 車種別サイズ表を見る
▶ 料金プラン一覧を見る
アルファのコーティング料金
| メニュー | M サイズ | L サイズ | LL サイズ |
|---|---|---|---|
| ガラスコーティング | 110,000円〜 | 115,000円〜 | 120,000円〜 |
| セラミックコーティング | 220,000円〜 | 230,000円〜 | 240,000円〜 |
いずれも税込表示です。下地処理とガスグラスプライマー処理は全車に含まれています。塗装の状態によって磨きの工程が変わるため、実車を拝見してからのお見積りになります。
全メニューは料金プラン一覧、サービスの内容はカーコーティングのページをご覧ください。
実際の仕上がり
言葉より、実物のほうが分かりやすいと思います。
レジンコーティングについて、よくあるご質問
レジンコーティングとポリマーコーティングは違うものですか?
ほぼ同じものを指しています。どちらも樹脂を主成分とした有機質の被膜です。製品によって呼び方が違うだけで、性質に大きな差はありません。
レジン被膜の上からガラスコーティングはできますか?
そのままではできません。古いレジン被膜を落としてからでないと、新しい被膜が塗装に密着しないためです。アルファでは下地処理の工程で既存の被膜を除去してから施工します。
レジンコーティングをすると雨ジミは出ませんか?
出にくくはなりますが、出ないわけではありません。付着したミネラル分が落としやすい状態にとどまるということです。放置すれば固着します。
3〜6ヶ月というのは、まったく効果がなくなる期間ですか?
いいえ。効果が明らかに薄れてくる目安です。撥水が弱くなり、汚れが落ちにくくなってきたら塗り直しの時期だと考えてください。駐車環境や走行距離によって前後します。
アルファでレジンコーティングを依頼することはできますか?
申し訳ありませんが、メニューとして用意しておりません。ガラスコーティングとセラミックコーティングからお選びいただいています。ご予算のご相談は承りますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ|レジンは「艶を出す膜」、ガラス以上は「守る膜」
この記事の内容を整理します。
- レジンコーティング=樹脂の膜。ポリマーコーティングとほぼ同じもの
- 有機質なので雨ジミが落としやすい。これは本当の長所
- ただし紫外線と熱で分解され、持ちは3〜6ヶ月。塗り直しが前提
- 柔らかいので傷は防げない。守る目的には向かない
- 3年以上乗る車なら、ガラス以上を選ぶほうが手間も費用も収まりやすい
レジンは、艶を出すための膜としては十分に役割を果たします。ただ「塗装を守る」という目的で選ぶと、期待とずれてしまう。それが正直なところです。
アルファは東京・足立区で年間1,000台以上を施工しています。どれを選ぶべきか迷われている場合は、実車を拝見してご提案しますので、お気軽にご相談ください。
