【家庭でも応用可能】酸性、中性、アルカリ性はどんな汚れに有効なのか

各種ケミカルのイメージ画像

皆さんは小さなころ、理科の授業でリトマス紙を水につけて色が変わる実験をしたのを覚えておりますでしょうか。
今回の記事はそんな実験の応用、酸性・中性・アルカリ性といった溶剤成分の知識がディテイリングの現場でどう活かされているのか解説していきたいと思います。
代表的な汚れを例に何性のケミカルが有効なのか、また家庭の汚れに置き換えるとどんな汚れを落とすことができるのか。

いつもより少し実用性のあるお話です。
ボディメンテナンスの常識が覆るような話題もあるので最後までよろしくお願いします。

目次

それぞれの特徴

酸性、アルカリ性、中性というのは、いずれも水溶液の性質の事を指しており、水溶液はphという値でこれら三つに分類されます。
このphというのは水溶液中に含まれる水素イオンの濃度を示す数値です。
この辺の理科の話題は割愛させていただき、次にこの三つの特徴について上の図を使いながらそれぞれ触れていきたいと思います。

酸性

酸性からアルカリ性の間に0~14のメモリをつけてph7未満のものを指します。
酸性は分かりやすく舐めると酸っぱく感じるという特徴があり、レモンなどの柑橘類の果汁はよく知られていると思います。
ディテイリング作業で使われるスケール除去剤は酸性が含まれています。

酸性といってもレモンやクエン酸のような安全性の高いものは想像しないでください。
フッ酸やフッ化アンモニウムといった危険な物質が含まれているので安易に自分で愛車にスケール除去剤を使ってみようとは思わないでください。
必ずプロに相談するようにしましょう。

中性

3つの中で最もものを溶かす能力が低いのが中性です。
一般的な台所洗剤やカーシャンプーなどが例として挙げられますね。
これらの洗剤は界面活性剤が含まれていてその力で汚れを落としていることが多いです。

基材の性質や強度を気にすることなく使えるのでディテイリングでも重宝します。
当店ではコーティング施工後のメンテナンスシャンプーは独自配合した中性シャンプーを皆様にお渡ししております。
繊細なガラスコーティング被膜を傷めることなく手入れができるのでオススメです。

アルカリ性

アルカリ性も酸性同様、ものを溶かす能力があり、身近なものだと台所用の消毒スプレーなどが上げられるかと思います。
タンパク質を溶かすので消毒スプレーが手に付着すると、表面がヌルヌルします。
これは肌表面のタンパク質が溶けているということになります。

ディテイリングにおいては古いコーティングを剥離するために使用したり、頑固な汚れに対して使いことが多いです。
アルカリ性は独特な鼻を突くようなにおいがするので顔の周りで使わないようにしましょう。
あの有名なアンモニアもアルカリ性なので納得ですね。

家庭の汚れに例えてみた

それではここからは酸性、中性、アルカリ性をそれぞれ家庭の汚れに例えて、どんな汚れに対して何性が有効なのか話していきましょう。
意外と間違ったことをしている方も多く見受けられるので参考にしてみてください。

酸性

スマートフォンに付着する手垢、油汚れ、湯アカ、皮脂などが酸性の代表的な汚れですね。
アルカリ性の物質で中和することができます。
身近なものでいうと重曹やソーダセスキは有名ですね。

頑固な汚れに対しては重曹を溶かした水を加熱することでアルカリ性濃度を高めることができるので試してみてください。

アルカリ性

トイレやバスルームの汚れ、水アカ、石鹸カス、錆、カルキなどがアルカリ性の代表的な汚れになります。
酸性の物質で中和することができます。
身近なものでいうとクエン酸やお酢が有効です。

クエン酸は揮発性がなく、無臭である一方お酢は独遠くの香りがあるため匂いが気になる場合は別の代替品を探してみるのもいいでしょう。

ディテイリングでどう活かされているのか

ここまで家庭への酸性、中性、アルカリ性の特徴、家庭への応用をメインに解説していきましたが、ディテイリングにおける汚れの知識については下記記事をご覧ください。
車に付着する汚れの種類が詳細に解説されているので目を通してみるといいでしょう。
汚れに対する知識、ケミカルの成分の知識があれば洗車の常識が覆ります。

まとめ

今回の記事では酸性・中性・アルカリ性の知識を応用して家庭のどのような汚れを落とすことができるのか、またディテイリングではどのような使い分けがされているのかを解説していきました。
結局のところ汚れというのは大体はアルカリ性、酸性のいずれかに分類されるので理屈を理解しておけば対処は可能なのです。
落ちない汚れはない。

ディテイリング業も突き詰めれば清掃業の一部。
人が生きる限り、車という生活に欠かせないインフラがあり続ける限り、私たちは「汚れ」という課題と向き合い続けます。
今回のテーマは車とはあまり関係のないものも多かったですが少しでも皆様のカーライフの支えになればうれしく思います。

それでは良きカーライフを。

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