【車の専門業者が回答】メタリック、パール、ソリッド、マット塗装のメンテナンス方法
車の外装色は見た目だけではなく、車のリセールバリュー、価値にも直結する重要な要素のひとつです。
漠然と「この色いい色だな」と思い車の色を選ぶのもいいですが、メタリック、ソリッド、パール、マットそれぞれの違いを知っておくことによって、自身のお車の保管状況に合わせた適切なボディカラー選びをすることができます。
当記事ではメタリック、ソリッド、パール、マットの違いや特徴、メンテナンス性について解説していきたいと思います。
メタリックカラーの特徴
メタリックは塗料にアルミフレークと呼ばれる粒子が含まれているものの事を指します。
正確には粒ではなく様々な大きさの平らなアルミ片で、色味によって含有量や大きさが変わります。
さらに塗料の吹き方によっても色味、輝きを調整することができるので職人の腕も試される塗料です。
補修難易度が高い塗料でもあり、元の色に合わせて輝き具合を合わせられていない場合は補修部分だけが薄暗い色合いになってしまいます。
これは塗料に含まれるアルミフレーク片が垂直になってしまっている証で、元の色に合わせて計算しながら拭くことができるのが一流の職人だといわれています。
メンテナンス性
光の乱反射によって人の目で傷を認識しづらいのでそこまで気を遣わずに常日頃から乗ることができます。
濃色車の場合はいくらメタリックが入っているとはいえど傷は多少見えやすくなるので洗車の時など、ボディに触ることが多いタイミングがある場合は気をつけてください。
塗料にアルミの粒子が含まれている為そのままにしておくと微細な錆となって徐々に浮き出てきてしまいます。
それらを防ぐために表面にクリア層が乗っているというのも覚えておくとよいでしょう。
ソリッドカラーの特徴
所謂、「単色塗料」の事を指します。
黒、赤、白、青、黄色など単一の色目のボディカラーです。
メタリックやパールと異なりシンプルな塗料とも言えます。
ハッキリとした色合いで非常に人気の高いボディカラーとして親しまれていますね。
しかし、単純であるがゆえに非常に繊細な部分も持ち合わせており、そのメンテナンス性はかなり複雑で、傷が目立ちやすい為かなり気を使います。
そんなソリッドカラーのメンテナンス性について以下に見ていきましょう。
メンテナンス性
上述の通り、メンテナンス性についてはかなり気を遣わさせられます。
最近のソリッドカラーはそういった複雑なボディメンテナンスを嫌う方に向けて、クリアを吹いているものも多く発売されるようになってきましたが、それでも美しさを維持するのが最も難しいボディカラーといえるでしょう。
特にトヨタ「202」ブラックに代表される黒ソリッド、通称「黒ソリ」はすぐに傷だらけになってしまって大変と有名ですよね。
そもそもソリッド自体が傷のつきやすい色というわけではなく、光の反射具合によって人間が傷を一番視認できる色の種類がソリッドなのであり、他のメタリックやパールにも同様に傷は入っています。
だからといって日常的に乗っていくうえで気をつけられることといえばせいぜい鋭利なもので触らない、タオルなどで乾拭きをしない(柔らかくても細かい傷が沢山つきます)程度のものです。
カーコーティングなどのボディケアで入念に手入れをしていくことで美しいを維持し続けられるようにしましょう。
パール塗装の特徴
塗料の中に微細な粒子が入っている点ではメタリックと変わりありませんが、パール塗装はその粒子の素材が異なります。雲母(マイカ)という石を細かくして塗料に混ぜ込んであり、これらは半透明の膜が幾重にも重なりあうことで、光が当たるとキラキラと複雑な屈折・反射をします。
この乱反射が真珠のような透明感のある独特な光沢感を生み出すため「パール」と呼ばれているのです。
パールマイカにもメタリック同様、粒子のサイズによって色目に種類がありメーカーによって味の出る塗料です。
メンテナンス性
メタリック同様の方法でいいかと思います。
マイカは粒子の凹凸を見えなくするために表面にクリア層が乗っているのと、光の乱反射によって傷が多少見えにくいのでそこまで気を使わなくてもいいかと思います。
ただし、傷がつかないのではなく傷が視認しにくくなっているだけなのと、濃色か淡色かでも話は変わってくるので以下の記事を参考にしてみてください。
マット塗装の特徴
マット塗装は、高級車によくみられる艶消し塗装です。
重厚感があり、非常に人気なボディカラーですが特殊な塗面のため少し複雑な特徴とメンテナンスが必要です。
ソリッド同様、美しさを維持するのがとても難しいので気をつけましょう。
マットカラーの特徴、メンテナンス性については以下の記事に詳しく書いてあるので読んでみてください。
4種塗装のまとめ
メタリック、ソリッド、パール、マットの違いや特徴について解説していきました。
塗料ごとに気をつけなければならないポイントや傷の見え方の仕組みなど実はいろいろ複雑なのです。
車の価値にも直結するボディカラー、この記事を参考に自動車購入時にカラーごとの特徴についても思い返していただけると嬉しく思います。
それでは良きカーライフを。
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