【車の専門業者が回答】メタリック、パール、ソリッド、マット塗装のメンテナンス方法

イエローのポルシェGT3RS

車の外装色は見た目だけではなく、車のリセールバリュー、価値にも直結する重要な要素のひとつです。
漠然と「この色いい色だな」と思い車の色を選ぶのもいいですが、メタリック、ソリッド、パール、マットそれぞれの違いを知っておくことによって、自身のお車の保管状況に合わせた適切なボディカラー選びをすることができます。
当記事ではメタリック、ソリッド、パール、マットの違いや特徴、メンテナンス性について解説していきたいと思います。

目次

メタリックカラーの特徴

メタリックカラーの特徴を説明

メタリックは塗料にアルミフレークと呼ばれる粒子が含まれているものの事を指します。
正確には粒ではなく様々な大きさの平らなアルミ片で、色味によって含有量や大きさが変わります。
さらに塗料の吹き方によっても色味、輝きを調整することができるので職人の腕も試される塗料です。

補修難易度が高い塗料でもあり、元の色に合わせて輝き具合を合わせられていない場合は補修部分だけが薄暗い色合いになってしまいます。
これは塗料に含まれるアルミフレーク片が垂直になってしまっている証で、元の色に合わせて計算しながら拭くことができるのが一流の職人だといわれています。

メタリック塗装の光輝材(アルミ)の役割と効果

メタリック塗装に使用されるアルミ粒子は、光を多方向に反射させることで、車体に独特の深みと立体感を与えます。
他の塗装と異なり、アルミ粒子の大きさや分布により、見る角度で異なる色合いが楽しめるのが特長です。
この効果により、車はより高級感のある印象を与え、光の当たり方次第で魅力的に変化します。

メンテナンス性

光の乱反射によって人の目で傷を認識しづらいのでそこまで気を遣わずに常日頃から乗ることができます。
濃色車の場合はいくらメタリックが入っているとはいえど傷は多少見えやすくなるので洗車の時など、ボディに触ることが多いタイミングがある場合は気をつけてください。
塗料にアルミの粒子が含まれている為そのままにしておくと微細な錆となって徐々に浮き出てきてしまいます。

それらを防ぐために表面にクリア層が乗っているというのも覚えておくとよいでしょう。

ソリッドカラーの特徴

ソリッドからの特徴を説明

所謂、「単色塗料」の事を指します。
黒、赤、白、青、黄色など単一の色目のボディカラーです。
メタリックやパールと異なりシンプルな塗料とも言えます。

ハッキリとした色合いで非常に人気の高いボディカラーとして親しまれていますね。
しかし、単純であるがゆえに非常に繊細な部分も持ち合わせており、そのメンテナンス性はかなり複雑で、傷が目立ちやすい為かなり気を使います。
そんなソリッドカラーのメンテナンス性について以下に見ていきましょう。

ソリッドカラーとコストの関係

ソリッドカラーは、メタリックやパールと比べてシンプルな塗装工程のため、生産コストが低く抑えられることが一般的です。
しかし、ソリッドカラーの特性上、傷が目立ちやすく、補修や再塗装の頻度が高くなることがあります。
そのため、初期コストは安価でも、長期的にはメンテナンスや補修にかかる費用が増加する可能性が高い点も考慮する必要があります。

メンテナンス性

上述の通り、メンテナンス性についてはかなり気を遣わさせられます。
最近のソリッドカラーはそういった複雑なボディメンテナンスを嫌う方に向けて、クリアを吹いているものも多く発売されるようになってきましたが、それでも美しさを維持するのが最も難しいボディカラーといえるでしょう。
特にトヨタ「202」ブラックに代表される黒ソリッド、通称「黒ソリ」はすぐに傷だらけになってしまって大変と有名ですよね。

そもそもソリッド自体が傷のつきやすい色というわけではなく、光の反射具合によって人間が傷を一番視認できる色の種類がソリッドなのであり、他のメタリックやパールにも同様に傷は入っています。
だからといって日常的に乗っていくうえで気をつけられることといえばせいぜい鋭利なもので触らない、タオルなどで乾拭きをしない(柔らかくても細かい傷が沢山つきます)程度のものです。
カーコーティングなどのボディケアで入念に手入れをしていくことで美しいを維持し続けられるようにしましょう。

パール塗装の特徴

パール塗装の特徴を説明

塗料の中に微細な粒子が入っている点ではメタリックと変わりありませんが、パール塗装はその粒子の素材が異なります。雲母(マイカ)という石を細かくして塗料に混ぜ込んであり、これらは半透明の膜が幾重にも重なりあうことで、光が当たるとキラキラと複雑な屈折・反射をします。
この乱反射が真珠のような透明感のある独特な光沢感を生み出すため「パール」と呼ばれているのです。
パールマイカにもメタリック同様、粒子のサイズによって色目に種類がありメーカーによって味の出る塗料です。

パールとマイカの違い、光の反射効果

パール塗装に使われるマイカ(雲母)は、光を複雑に屈折・反射させる性質を持っており、この効果により、見る角度や光の当たり方に応じて塗装の輝きや深みが異なります。
メタリックとは異なり、パール塗装はよりソフトで上品な光沢を生み出し、角度によって微妙に変化する独特な輝きを持つのが特徴です。

メンテナンス性

メタリック同様の方法でいいかと思います。
マイカは粒子の凹凸を見えなくするために表面にクリア層が乗っているのと、光の乱反射によって傷が多少見えにくいのでそこまで気を使わなくてもいいかと思います。
ただし、傷がつかないのではなく傷が視認しにくくなっているだけなのと、濃色か淡色かでも話は変わってくるので以下の記事を参考にしてみてください。

マット塗装の特徴

マット塗装の特徴を説明

マット塗装は、高級車によくみられる艶消し塗装です。
重厚感があり、非常に人気なボディカラーですが特殊な塗面のため少し複雑な特徴とメンテナンスが必要です。
ソリッド同様、美しさを維持するのがとても難しいので気をつけましょう。

マットカラーの特徴、メンテナンス性については以下の記事に詳しく書いてあるので読んでみてください。

カラー選びのポイントとトレンド

車のボディカラーを選ぶときには、見た目だけでなく、耐久性も重要なポイントです。
たとえば、メタリック塗装はアルミ粒子が光を反射して、立体感と輝きを生み出し、高級感を演出します。
パール塗装は、雲母の屈折効果で深みのある輝きを放ち、上品さが際立ちます。

さらに、これらの塗装は紫外線や酸性雨に強く、その美しさを長期間にわたって維持できるのも魅力です。
市場では、メタリック系の色が引き続き評価されています。

現在の市場で人気の色とその理由

近年の市場では、メタリックやパール、マイカを使用した塗装が奥行きと高級感を持つため、特に人気を集めています。
メタリックは光を反射して車体に立体感を与え、パールやマイカは角度によって異なる輝きを見せ、独自の深みを演出します。
これらの塗装は紫外線や酸性雨に対する耐久性も高く、長期間にわたって美しい光沢を保つのが魅力です。

さらに、これらの塗装は日常的な汚れや小傷が目立ちにくく、メンテナンスも比較的楽です。
一方、シンプルなソリッドホワイトやブラックも根強い人気を誇り、コストパフォーマンスの高さとメンテナンスのしやすさが評価されています。

カラー選びがリセールバリューに与える影響

車のカラーは、そのリセールバリューに非常に大きな影響を与えます。
メタリック塗装は、その金属粒子による独特の光沢が中古市場でも評価されやすく、価値が下がりにくい傾向があります。
パール塗装は光の反射による優雅な輝きで、高級感が持続している間、特に高い需要を誇ります。
マイカ塗装も光の角度による変化が美しく、多くのドライバーに好まれます。

そのため、車を選ぶ際には見た目だけでなく、長期的な資産価値を考慮してカラーを選ぶことが賢明です。
メタリックは、光が当たることで色味が微妙に変化し、その豊かな光沢感が車全体に立体感をもたらします。
パールやマイカの塗装も高級車やスポーツカーに選ばれやすく、その結果としてリセールバリューの向上に繋がる要因となっています。

一方、ソリッドホワイトやブラックといったシンプルなカラーも、その汎用性と普遍的な人気から、中古車市場で安定した需要があります。
これらの色は、どんなボディスタイルにも適応しやすく、メンテナンスのしやすさや色あせの少なさも再販時の評価にプラスに働いています。

環境や耐久性に基づいた塗装選び

車の塗装を選ぶ際には、保管環境や使用状況をしっかり考慮することが重要です。
例えば、メタリック塗装は光を反射する性質があり、紫外線や気候条件に対して高い耐久性を発揮します。
パール塗装は、独自の光の反射効果により、色あせに強く屋外保管でもその輝きを保ちます。
マイカ塗装も層構造がしっかりしているため、耐久性に優れた選択肢です。

一方、ソリッドカラーはコスト面で優れるものの、直射日光や雨風にさらされると色あせや傷が目立ちやすいです。
使用環境に合った塗装を選ぶことで、車体の美しさを長期的に維持することが可能です。

屋外保管・屋内保管による適した塗装の選択

車を屋外で保管する場合、紫外線や雨風といった過酷な環境に耐える塗装が欠かせません。
メタリック塗装は光の反射で紫外線を軽減し、長期間の色あせ防止に効果的です。
パール塗装は、光の屈折を活かして耐候性に優れ、厳しい気候でも美しい光沢を保ちます。
マイカ塗装も層構造がしっかりしているため、外観の持続性に優れています。

一方で、屋内保管される車には、シンプルなソリッドカラーが最適です。
直射日光にさらされる機会が少ないため、複雑なケアをしなくても色味を保ちやすく、コスト面でも効率的です。

塗装が紫外線や気候条件に与える影響

紫外線や過酷な気候条件は、車の塗装の寿命に大きな影響を与えます。
メタリック塗装は、光の反射によって紫外線を跳ね返し、長期間にわたって色あせを防ぐ効果があります。
パール塗装は、光の屈折作用を利用して美しい輝きを持続させ、耐久性に優れています。

また、マイカ塗装もその層構造により、気温の変動や湿気に強く、塗装の剥がれやひび割れを防ぎます。
特に高温多湿な環境では塗装が劣化しやすいですが、これらの耐久性に優れた塗装なら安心です。
寒冷地でも、塗装の剥がれやクラックを防ぐ力強い性能を発揮します。

メンテナンスのコツと費用対効果

車の塗装を美しく保つためには、適切なメンテナンスと費用対効果を考慮したケアが重要です。
塗装の種類に応じたアプローチを取ることで、コストを抑えながらも理想的な状態を維持することが可能です。

各塗装ごとのメンテナンスコストと頻度

塗装の種類によって、メンテナンスのコストや頻度には大きな違いがあります。
金属粒子を含むタイプの塗装は、光の乱反射によって小さな傷が目立ちにくくなるため、比較的手間が少なくて済みます。

ただし、光沢を長持ちさせるための定期的なコーティングは推奨されます。
一方、シンプルなソリッドカラーは傷が非常に目立ちやすいので、こまめな洗車やケアが必須です。

長期的な費用対効果の観点から最適なケア方法

長期的な視点で見ると、耐久性の高い塗装は初期費用が少々高くても、メンテナンスの手間やコストが少なくて済むため、総合的な費用対効果に優れています。
定期的な洗車やカーコーティングを行うことで、塗装の劣化を防ぎ、美しさを長期間にわたって維持することが可能です。
特にコーティングは、塗装を外的要因から守り、長持ちさせるための効果的な手段です。

4種塗装のまとめ

メタリック、パール、ソリッド、マット塗装のメンテナンス方法まとめ

メタリック、ソリッド、パール、マットの違いや特徴について解説していきました。
塗料ごとに気をつけなければならないポイントや傷の見え方の仕組みなど実はいろいろ複雑なのです。
車の価値にも直結するボディカラー、この記事を参考に自動車購入時にカラーごとの特徴についても思い返していただけると嬉しく思います。

それでは良きカーライフを。

【受付】9:00〜18:00(平日)

\ 15秒でカンタン登録! /

コメント

コメントする

目次