【2024年最新】車を長持ちさせる暖機運転の必要性と特徴を解説します
暖機運転とは、エンジンやミッションの温度が上がる前に負荷をかけることを避けるため、アイドリング状態でしばらく待つ行為の事を指します。
車本来のパフォーマンスを発揮するために一昔前までは必須ともいえる工程でした。
今回はそんな暖機運転の必要性ややらなければならない理由などを説明していきたいと思います。
暖機運転が必要だった理由
暖機運転が必要だった理由はいくつかありますが、その中でも代表的な理由を二つ上げていきたいと思います。
いずれも現行車両ではなく古い車の話になりますので、注意して読んでいただけると幸いです。
冷間時の空燃比
暖機運転が必要だった理由は、1980年代の車で主流だったキャブレターを使用したエンジンで、エンジンの始動が困難な冷間時などに手動で燃料と空気の比率を変えなければならなかったからです。
エンジンの始動性が悪い時に濃い目の燃料混合気を噴射してエンジンが温まるまで待つというのが暖気のルーツです。
しかし、近年販売されている車の燃料供給システムはそういった空燃混合比率などもすべてコンピュータによる電子制御によって自動で行われるインジェクション方式に切り替わっている為、キャブレター方式だったころのような暖気は必要なくなっています。
エンジンルーム内のクリアランス
キャブレター、インジェクションといった燃料噴出装置以外の理由としては、一昔前の車ではエンジンが温まるまでは本来のパフォーマンスを発揮できない精度だったというのもあります。
一昔のエンジンはしっかりとエンジンが温まっていて、熱により金属が膨張した際にパーツ間のクリアランスが適正になることで初めてパフォーマンスを発揮できるという仕組みでした。
しかし現代の車は冷間時でも適正なクリアランスが保持されている為、問題なく走行することができます。
しかし、問題なく走行はできるといってもベストな状態ではありませんので、現代の自動車における「暖気走行」というものものを下記に見ていきましょう。
現行車種における暖気走行とは
暖気が無くても走り出せるのなら暖気は必要ないのでは。
と考えられる方もいると思います。
しかし、エンジンのコンディション維持という意味で暖気走行は必要だと筆者は考えます。
その暖気走行とは何なのか、解説してきます。
暖気走行のやり方
簡単に言うと「エンジンに負荷をかけずにゆっくりと走る」というのが暖気走行です。
エンジンが温まる前に負荷をかけてしまうと車全体の不調につながりかねません。
人間もプールに入る前に準備運動をしますよね。
それと同じ理屈で車にも準備運動が必要なのです。
最近の車には冷間時にまだエンジンが暖まってないよと教えてくれるランプがあるので、それが消えるまでは急が付くような運転はしないようにしましょう。
アイドリングをさせた状態で待っていなくても走りながらやさしく運転することによって車のコンディションを維持することが可能になります。
久しぶりに車を動かすときは少しだけ暖気したほうが良い
通勤や趣味で頻繁に車を動かしている方には関係のない話ですが、しばらくエンジンをかけていない車を動かす場合は数分でもいいので暖気をしたほうが良いでしょう。
エンジン内部のオイルの膜が薄くなっているので、かけた直後に走り始めてしまうと少し車に悪いです。
数分とは言わず数秒でもいいのでオイルがエンジン内部に循環するのを待ちましょう。
最近のエンジンオイルは高性能なので、そこまで気を使う必要もありませんが、オイルの膜が薄くなっていることを想像して少しだけ優しい気持ちで動かしてあげるのが良いでしょう。
その後は普段通り運転しても問題まりませんからね。
環境保全の観点からも暖気は最低限に
車の構造的に暖気が必要がなくなったというのが大きな理由ですが、それ以外にも理由はあります。
それは二酸化炭素排出問題です。
暖気中にアイドリングさせている間、無駄に二酸化炭素が排出されるので環境にあまりよくありません。
現行車はエンジンをかけたときからコンピュータによって適切な燃料濃度が確保されているので、アイドリングをさせながらの暖気には何の意味がありません。
それにも関わらず、長時間の暖気をすることは二酸化炭素を無駄に排出させ、環境へ悪影響を及ぼすだけの無駄な行為なんですよね。
まとめ
一昔前までは車のパフォーマンスを最大限引き出すためには大切だった暖機運転。
現行車には必要ないというのがお分かりいただけましたでしょうか。
車自体の性能が上がったのはもちろんのこと、環境保全の観点からも現行車両には暖機は必要ありません。
エンジンが暖まるまでの間、ゆっくりと一定の回転数を維持し続けられるような優しい運転を心がけてあげてくださいね。
エンジンを労わりながら走行することで、より良いコンディションを維持しながら快適なカーライフを送れるようにしてください。
それでは良きカーライフを。