【オイルの話】エンジンオイルの基礎知識とオイル交換のやり方の解説

黄色いロータスエミーラ

車の日常メンテナンスの中で最も身近ともいえるエンジンオイル交換。
自分が乗っている車の適正オイルも分からずに販売店や整備工場に丸投げしていませんか。
某大手中古車販売チェーンの問題を皮切りに様々な問題が浮上している昨今、我々消費者も何も知らず人任せで車を所有するのが怖いと感じてしまう嫌な時代になってしまいました。

今回のコラムでは自分の愛車を知る第一歩としてエンジンオイルの基礎知識、オイル交換のやり方について解説していこうと思います。
人によって考え方が異なる少しデリケートな話題でもあるので筆者の主観による話が多少含まれることを予めご留意ください。

目次

エンジンオイルの基礎知識

まずはエンジンオイルの基礎知識について解説していきたいと思います。
エンジンオイルには「粘度指数」及び「粘度」と呼ばれる単位が存在し、我々ユーザーは各メーカーの指定した粘度に合わせてエンジンオイルを選び、入れることになります。
「5w₋30」このような表記を見たことはありますでしょうか。

ハイフンで分けられた英数字それぞれに意味があるので以下に解説していこうと思います。

英数字が指すもの

我々が日常的に乗っている乗用車に使われるエンジンオイルは「マルチグレード」呼ばれ、季節の変化や寒冷地での使用にも耐えうる温度変化に強いオイルです。
マルチがあるのでもちろんシングルグレードのオイルもあるのですが、季節や居住地によってこまめに変えていかなければならないため近年発売された車では使われることがなくなりました。
では、本題の「5w₋30」の英数字が指すのは何なのか解説していきたいと思います。

「₋(ハイフン)」で分けられた「5w」と「30」で意味はそれぞれ以下のようになります。

・前半の「5w」:対応可能な外気温の最低温度と低温化での始動性

・後半の「30」:油温が上がった時の粘度及びエンジン保護性

みてもいまいち分からなかったよって方もいるかと思うのでわかりやすく言うと、前半の数値は冬の寒い時を想定した数値で後半はエンジンが高温になったときにどれだけエンジンを保護できるかを指しています。
料理で使うサラダ油を想像してもらえるとわかりやすいと思いますがボトルから鍋に注ぎ入れるときはなかなか出てこないサラダ油が料理を終えて熱が入っている状態だとシャバシャバしてますよね。
それと同じ理屈でエンジンオイルも熱を入れると粘度が下がっていきます。

高回転域を多用するスポーツカーなどはエンジンが熱くなりやすい傾向にあるので粘度が高いものを使用することが多いです。

マルチグレードにおける対応可能な最低気温

よく勘違いされがちなのがマルチグレードの前半部分。
「5w」の数字が対応温度だと思われる方が結構な数いらっしゃるのですが実は違います。
各数字毎に対応可能な最低気温の目安があるのです。

以下に見ていきましょう。

・0w:−35℃

・5w:−30℃

・10w:−25℃

・15w:−20℃

・20w:−15℃

・25w:−10℃

このように、基準とされる最低温度が数字毎に決まっており、エンジンの始動性やパフォーマンスに大きくかかわってきます。
最近の高性能なオイルでは心配することはなくなってきましたが、寒冷地にお住まいの方は気にかけておくといいでしょう。

鉱物油、化学合成油、部分合成油の違い

ここからは少し上級者向けの話題になります。
エンジンオイルは大きく分けて三つの種類に分けられており、鉱物油・化学合成油・部分合成油の三つの種類があり、それぞれ特徴があり車による向き不向きもあるため注意が必要です。
以下に見ていきましょう。

化学合成油

三つの中で最も不純物の含有量が少なく、純度も高い為、比較的どのような車にも入れられるようになっています。
低温に強く、耐熱性もありオイルが蒸発しないというのが大きな特徴です。
一部のクラシックカーには化学合成油が使えないとされていることがありますが、ここは個人の考え方次第になると思うので大きく触れないようにします。

鉱物油

化学合成油と比較して単純な工程で作られている為、不純物が多く含まれています。
化学合成油より低温に弱く一部のクラシックカーを除き適合しないパターンがほとんどです。
最近は低燃費、低価格オイルが沢山出てきたおかげで需要が減り、以前と比べると値段が上がっていますがいまだに比較的安価に購入することができます。

部分合成油

化学合成油、鉱物油を混ぜ合わせお互いのデメリットを補うように作られたものです。
性能面、価格面でも優れているオールラウンダー。
配合比率や製品によって性能のばらつきがあることがあるので、選ぶ際にはそこを注意していくといいかもしれません。

頻繁にオイル交換する方にはお勧めです。

【番外編】オイル交換のやり方

ここからは番外編として、自宅でもできるオイル交換の手順を解説していきます。
道具があればそこまで難しくもないのでチャレンジしてみてください。

ジャッキアップ

平坦な場所、砂利などの土台が不安定な場所を避けてジャッキアップしましょう。
メーカーによってジャッキアップポイントが違うので事前に調べておくと良いですね。

ドレンボルトを外す

ドレンボルトを取り外します。
勢いよく出てくるのでそっと開けるようにしましょう。
オイルの勢いが弱くなってきたらエンジンのオイルフィラーキャップを取るとまた出てくるようになります。

ドレンボルトを閉めてオイルを注ぐ

ドレンボルトを閉めたことを確認してからオイルを注ぎ入れます。
ドレンボルトはきつく締めすぎるとオイルパンが破損する可能性もあるので、「きゅっ」とあまり力を入れずに閉めるようにしてください。
オイルの規定量はたいてい車両取扱説明書に書いてありますが、分からない場合は少しずつ入れながらオイルレベルゲージで確認するといいでしょう。

最後の確認作業

オイルは車の心臓でもあるエンジンを動かすための大切な血液でもあります。
万が一閉め忘れなどがあると車が壊れるだけでなく最悪の場合人を巻き込んだ大事故にもなりかねません。
DIYは安く済むし気軽にやることができますが大きな責任も伴うことを肝に銘じておきましょう。

まとめ

如何だったでしょうか。今回はオイルにまつわるお話をしていきました。
できるだけ初心者にもわかりやすいように簡単な内容のみを詰め込みましたが、実はオイルはもっともっと奥が深いです。
エンジンオイルだけでなくトランスミッションオイルやデフオイルなど種類だけでも沢山あります。

機会があればその辺についても言及できるといいですよね。
エンジンオイルは車の血液。
こまめにメンテナンスをして健康的な車を作ってあげましょう。

それでは良きカーライフを。

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