【カーボディケアのプロが解説】車を傷や汚れから守るためにできる3つの方法

カーコーティング、プロテクションフィルム、ラッピングどれを選ぶべきなのか

愛車のボディを守る手段は数多くありますが、その中でも特に人気が高くよく施工されるのがカーコーティング、ラッピング、プロテクションフィルム。
その特徴や違い、役割についてしっかり正しい認識を持っている方は実は意外と少ないです。
車の保管状況や、使用用途、予算に応じて何が正しい選択なのか、皆様自身で判断するというのは非常に重要です。

当コラムでは業者任せではない、愛車を守るための知識を正しくお伝えし、皆様のカーライフをより一層豊かにするお手伝いができればと思っています。
それでは見ていきましょう。

目次

3大ボディケアの役割

プロテクションフィルム施工中写真

冒頭でも簡単に触れましたが、カーコーティング、ラッピング、プロテクションフィルム(ここでは三大ボディケアと呼ぶことにします)の特徴や役割、費用について、下記の表をもとに解説していきたいと思います。

ガラスコーティングラッピングフィルムプロテクションフィルム
保護性能
ボディ表面に高硬度のガラス被膜を生成する
擦り傷には強いが飛び石等は防げない

ボディ全体をフィルムで包み込む
プロテクションフィルムに比べると薄め

ボディ塗装面に透明なフィルムを張り付ける
ラッピングより厚く飛び石にも強い
費用
3つのなかでは一番リーズナブル

フルラッピングが基本となるため高額

フル施工は高額だが保護したい全面のみ施工も可
耐久性
定期的なメンテナンスにより3~5年程度
高耐久のセラミックコーティングも

3年程度とされるが保管状況で大きく左右
ルーフなどはそれより早く劣化

3年~5年とされるが保管状況で大きく左右
施工時に巻き込まないため剥がれリスクは少ない
外観
本来の塗装にツヤや光沢をプラス

ボディカラーに関わらず好きな色にできる

厚みのあるフィルムのためツヤ感がアップ
透明のため元のボディ状態に左右
補修
線傷一本から補修可能

パネル単位での貼り換えが必要

パネル単位での貼り換えが必要
リセール
コーティングにより綺麗に保つことで
リセールの向上に期待できる

剥がすことで本来の塗装のままのため
高価に売却できる

飛び石等の傷がほとんどつかず
リセールが下がりづらい

ガラスコーティング

ボディ保護と聞いて真っ先にコーティングが浮かぶ方が多いのではないでしょうか。
カーコーティングはそれだけカーライフに浸透しており、車の購入時に施工するのもほぼ当たり前となっています。

予算に合わせた豊富な選択肢

それだけ浸透するにはやはり理由があり、最大の特徴は予算に応じて多彩なメニューが選べることです。
30万円以上することもある専門店のセラミックコーティングから、ガソリンスタンドで施工できる数千円程度のものまであり、低コストのものはとりあえず試してみたい方にもぴったりです。

傷には強くないが汚れに強い

ボディの保護性能に限った話をすれば、他のふたつに比べると劣っているのが事実です。
しかしそれは飛び石や擦り傷などの直接的なダメージに限った話で、無機質のガラス被膜は日常使用でよく付着する汚れには非常に強くなっています。
仮に付着しても洗車で簡単に落とせる特徴もあるため、汚れの浸透によって起こりうる長期的なダメージに対しては最適な選択肢と言えます。

美しいというメリット

最大のメリットは、なんといってもツヤや光沢の美しさ。
撥水性能の高い商品も多く、見た目で効果が実感できるのも人気の理由のひとつです。
コーティングをする際には磨きをかけることも多く、本来の塗装を活かして美しく復活させたい方にはぴったりの選択となるでしょう。

カーラッピング

ボディ全体を薄いカラーフィルムで包み込む施工方法。
日本でも徐々に浸透してきており、オリジナリティを求める方には大人気なのがこちらのカーラッピングです。

塗装せずにカラーチェンジできる

最大のメリットは何といってもカラーチェンジ。
ひと昔前まではボディの塗装でしかできなかった愛車のカラーチェンジが、ラッピングの出現により気軽に行えるようになりました。
さらに大きな特徴として、フィルムを剥がせば元に戻せること。
新車のうちにラッピングしておいて、フィルムが劣化してきたら剥がしてしまえば新車の塗装に戻すことができます。

施工費用は非常に高額

戻せるカラーチェンジという大きなメリットをもつラッピングですが、コストは非常に高額となっています。
パネルごとの施工ももちろん可能ですが、カラーチェンジ目的で行われる場合は一台フル施工となるのが一般的です。
その場合の相場は100万円近くなるのもざらで、気軽に手が出しづらい金額となってしまいます。

オリジナリティとリセールバリューの両立

戻せるカラーチェンジという特徴を活かすことでリセールバリューの向上にも貢献できます。
一般的にリセールバリューが良いとされているブラックやホワイトのカラーを選んだうえで、好きなカラーにラッピング施工。
最終的に人気色の査定で売却することが可能となります。
また逆にラッピングによるカラーチェンジを前提にして、相場よりもお買い得な不人気カラーを買うという選択肢も生まれます。

プロテクションフィルム

透明なフィルムによって、名前の通りボディを守ることに重きを置いた施工方法。
レースや過酷な環境下で走る車に施工されることが多いです。

圧倒的ボディ保護性能

ラッピングフィルムより分厚いフィルムによってボディを包むことにより、少々の飛び石では傷つかないほどの強力な保護性能を誇ります。その厚さゆえ、ラッピングフィルムのようにボディの裏側まで巻き込んでの施工は難しく、ボディ表面に貼り付けるような形の施工となります。
そのためラッピングフィルムのようにエッジの部分から劣化してくるような心配もなく、フィルムそのものの劣化以外は特に心配がいりません。

フル施工はラッピングよりも高価

一台分フルでプロテクションフィルムを施工すると、実はカラーチェンジができるラッピングよりも施工費用が高いことが一般的です。
しかし飛び石被害の多いフロント部のみ施工するケースも多く、選び方でコストを抑えつつボディ保護性能を確保することができます。

透明以外のプロテクションフィルムも出始めている

基本的にプロテクションフィルムは透明でラッピングのようなカラーチェンジの効果はありませんでしたが、近年透明以外のフィルムも登場してきています。

中でも興味深いのは「ステルス」と呼ばれるマットプロテクションフィルム。
通常のグロス塗装のボディに施工することでマット塗装の見た目を手に入れられる、半透明つや消しタイプのプロテクションフィルムです。
黒の車に貼ればマットブラックに、通常マットの選択肢が少ないレッドやブルーの塗装もマット調にすることが可能です。

しかしまだ取り扱いのある施工店も限られている現状のため、興味がある方は専門店に問い合わせをしてみましょう。

まとめ

カーラッピングやプロテクションフィルムとカーコーティング

カーコーティング、ラッピング、プロテクションフィルム。
それぞれの役割や特徴について解説してきました。

いずれも本来はボディの保護を目的とするものですが、いずれもドレスアップ効果が見込めるものとなっています。
本来の塗装を傷から守る、汚れから守る、リセールバリューを守る。
どれも大切なことではありますが、細かいボディケアはプロに任せて単純に車がかっこよくなるから、という理由で選んでみるのもいいかもしれません。

どれも決して安い買い物ではないため、この記事が選択の一助となれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。

コメント

コメントする

目次