【プロが徹底解説】カーコーティングにかかる費用と気になる相場について

カーコーティングの費用と相場について徹底解説

カーライフを送る上で「愛車をきれいな状態で保ちたい」と考える方がほとんどかと思います。
目的は様々で「出先で写真をきれいに撮りたい」や、売却をする時を考えて「車の価値を保ちたい」、仕事柄「車が汚れていると印象が悪いしみっともない」などなど。

ネットでコーティングについて調べてみてもリーズナブルな物から高価なものまでたくさん。
高いものと安いもので何が違うかわかりづらいけど、どれも決して安い買い物じゃないから失敗はしたくない。
そこで今回はカーコーティングの費用相場について考えてみたいと思います。

目次

カーコーティングはどこで価格差が出るのか

ミニクーパーが並んでいる写真

コーティングの費用はおおまかに「磨き等下地処理にかかる時間(行程数)+コーティング剤の種類」で算出されます。
磨きなど下地にかける時間(行程数)はまず新車か中古車かで分かれ、次にボディサイズによって料金設定されていることがほとんどです。
コーティング剤の種類はおおまかにポリマー系とガラス(系)・セラミックに分かれ、それぞれで材料原価や施工難易度が異なります。

しかし上記の二つが全く一緒だとしても、依頼をする業者によっても大きく特徴や価格帯が異なってしまうのがカーコーティングです。
上記を順を追って見ていきましょう。

車両状態別の価格相場

・新車にカーコーティングをする場合の価格相場

新車にカーコーティングを施工依頼する場合、価格相場は20,000円程度~200,000円以上ととても幅広いです。
非常に低価格でコーティング施工することも可能ですが、その場合はほとんどが磨きなどの下地処理をしない場合の価格です。

実は一般的にはあまり知られていませんが、新車でも製造工程や販売ディーラーでの保管状況や期間によりくすんだり汚れたりしているケースがほとんどです。
コーティングの密着度を向上させるため、付着物や小傷の除去、塗膜調整のための磨きなどもセット依頼とする場合、想像よりも作業工程がかかる=コストが上がります。
新車だからといって下地の磨きをしない場合、本来のオリジナル塗装の輝きがくすみなどで薄れてしまったり、せっかく施工したコーティングの定着が悪くなり本来のパフォーマンスを発揮しきれない場合があります。

とはいえ新車は新車。
中古車に比べ状態は当然よく、下地処理にかかる時間は短く済むことがほとんどです。
そのため磨きをしっかり行う業者に依頼した場合でも、新車は中古車に比べおよそ一割程度安い料金設定をされているケースが多くなっています。

・中古車にカーコーティングをする場合の価格相場

中古車にカーコーティングを施工する場合車の年式や状態によって価格が大きく変動し、サイズにもよりますが80,000円程度~300,000円以上かかることがあります。
こちらは新車に比べて下地磨きの行程数(=時間)がかかることを前提としているため、その分費用が上乗せされるケースがほとんどです。

プロとしてはおすすめできませんが、中古車であっても磨きは必要ないからコーティングだけ塗ってほしいという方も中にはいらっしゃいます。
その場合は新車であっても中古車であっても費用はほとんど変わらないケースもあります。

コーティング剤の種類別の価格相場

コーティング剤の選択が価格差が最も大きく出るポイントです。
コーティング剤はおおまかにポリマー(樹脂系)・ガラス・セラミックにわかれ、それぞれ材料原価や施工時間、施工難易度がまるで変わります。
そのため一部施工はカーコーティング専門店でしかできない場合もあります。

・ポリマーコーティング(ガラス系コーティング含む)

10,000円~80,000円程度

カー用品店で市販されているコーティング剤や大手フランチャイズ店のメニューのほとんどはこちらに分類されます。
ガラス系コーティングには明確な定義がなく、ガラス成分が少量でも含まれていればガラス系コーティングという名称で販売されており、ほとんどの商品の主成分はポリマー(樹脂)となります。

施工難易度が低くガラスやセラミックと違い硬化時間も必要ないため、施工に必要な時間が短いことが特徴です。
また磨きを行わないメニューで使用されることが多く、費用相場は安い傾向にあります。

・ガラスコーティング

100,000円~250,000円程度

カーコーティング専門店の多くがメイン商品として扱っているガラスコーティング。
ガラス系とは明確に違い、こちらは主成分がガラスとなります。
そのため完全硬化するとガラス被膜を形成し、硬度や耐久性に優れます。

一方で施工難易度は高めで、硬化時間が必要なことやしっかり下地処理をしないとひび割れ等のリスクがあります。
そのため磨きを前提としたメニューが一般的で、必然的に費用相場も高くなっています。

・セラミックコーティング

200,000円~400,000円程度

近年注目を浴びているこのセラミックコーティング。
硬度や耐汚性能や耐油性能はガラスコーティングの上位互換とも言えます。

一方で施工難易度は非常に高く、温度管理された環境下でないとすぐに硬化がはじまってしまい、ムラになってしまいます。
そのため専用ブースのある専門店でしか施工できず、そもそもの材料も高価なため費用は非常に高額となっています。

施工業者別の価格相場

カーコーティング業者は大きくわけて3種類にわかれます。
価格帯と共にそれぞれの特徴を見ていきましょう。

・プロショップ(コーティング専門店)

約100,000円~

カーコーティング専門で運営しているため、必要な設備や道具が揃っているため施工難易度の高いコーティングも対応可能。

基本は近郊エリアを中心とした地域密着型のサービス対応のため対応範囲は狭め。
各ショップごとによって方針や特徴が全く異なり、扱っているコーティング剤の種類や設備、アフターなどの対応はそれぞれで業者の見極めが非常に重要。
規模的には数名~数十名の体制が多く、こだわりの商品やサービスを提供する業者が多いため、単価は中~高価格帯。

・カーディーラー

約100,000円~

基本は販売時のセットとしての依頼のため、それに合わせた全国対応。
カーローンを組む際に施工費用を組み込めたり、納車時には既にコーティングが完成した状態で受け取れるという事での利便性が大きなメリット。
ディーラー店舗内で施工している会社もあるが、外注業者へ依頼しているケースがほとんど。
支払い総額はコーティング専門店と大きな差はないが、ディーラーの利益分となる中間マージンが含まれる為、施工内容や品質を考えると割高感がある。
単価は中価格帯~高価格帯。

・大手フランチャイズ店

約20,000円~

大手ガソリンスタンドなどもFC店として提携しているため、対応範囲は広め。
使用するケミカルや施工手順などマニュアル化がしっかりされていて、コーティング施工者がどのエリアでも誰でも簡単に均一に施工できるのが売り。
そのため技術差の出づらい低価格帯のサービスは満足度が高いイメージだが、仕上がりが分かれると言われる下地の磨きは基本しないため、高価格帯サービスは好みがわかれるところ。
料金設定はサービス内容により低~高価格帯と広い。

最高級で高価格なコーティングが1番良いわけではない理由

コーティング施工後のポルシェ

金額の相場感や業者ごとの特性に大きな差がある事が大体分かったところで、リーズナブルなコーティングと高単価なコーティングについてもう少し見ていきましょう。

下地磨きの差が価格の差

上記でも何度か触れましたが、コーティングの工程において一番価格やクオリティ差が出るといっても過言ではないのが下地の磨きです。
ここの工程差(=かける時間)によって、当然施工会社側は人件費などのコストが変化し施工料金に反映されます。
大手フランチャイズ店では磨きをしないというのをウリにしている店舗もありますが、その場合下地処理をしない事でボディがくすんだままになり、本来のオリジナルカラーの発色やツヤ感を発揮する事ができません。
さらにはコーティングの定着が弱まる可能性すらあります。

高いコーティングすれば何年間も何もしなくてもいいという幻想

一方でよくある高単価コーティングにおける「〇年保証」や「〇年間ノーメンテナンス」の様な内容にも注意が必要です。
どんなに高価値なコーティングを施工しても、表面に汚れは付着しそれを放置すると、コーティングの本来の保護膜や撥水などの効果もかなり早い段階で薄れてしまう可能性すらあります。
ガラスやセラミックなどの高単価のコーティングほど、特に定期的なメンテナンスを怠らないことがとても重要で、それこそがコーティング被膜を長持ちさせ且つ愛車をずっときれいに保つ絶対的な秘訣です。
せっかく高単価のコーティングを施工するのであれば、そのコストを無駄にはしたくないですよね。

定期的なメンテナンスが一番大事

車をショールームに飾っておくだけの人はほとんどいないでしょう。
どんなに高価なコーティングを施工しても、乗って走れば必ず表面に汚れが付着します。
特に屋外保管場合は常に愛車が雨・風・紫外線にさらされている過酷な状況です。

付着した汚れなどは、モノによっては放置をしてしまうと表面のコーティング被膜やクリアー層を侵食して塗装表面にシミが残り、再塗装が必要になってしまうなど余計なコストが掛かる場合があるため、早めの除去が必要です。
専門家のアドバイスに従い、定期的な洗車やメンテナンスを実施しましょう。

まとめ

カーコーティングの費用相場まとめ

車の状態やコーティング剤の種類、依頼する業者によってコーティング施工の性質や費用相場について解説してきました。

カーコーティングにおいて、誰もがこれを選べば間違いない、という唯一の答えはありません。
愛車の保管環境や予算、それぞれが考えるカーライフスタイルによって全く正解が異なるからです。
もしかしたら本当に目的を達成するために必要なのはコーティングではなく定期洗車やラッピング、プロテクションフィルム、全く違うその他かもしれません。
せっかくコストを払って業者へ依頼するのであれば、多くの選択肢の中から自分の一台にぴったりの選択をしたいところです。

カーコーティングを業者に依頼する際には、高単価なコーティング≠高品質なコーティングに注意し、再度施工する目的や自分のカーライフスタイルと予算に応じて信頼のできる業者へ相談してみるとよいでしょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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