【2023年最新】カーコーティングの種類とその選び方を専門店のプロが徹底解説

カーコーティングの種類と選び方

カーコーティングにはたくさん種類があり、性質もそれぞれ違います。
いまの愛車のコーティングは、その違いを理解して選びましたか?ディーラーにおすすめされてなんとなく選んだ方も多いと思います。
せっかくコーティングしたのに、思ったほどの効果じゃなかったなんてことも。

カーコーティングは車種やボディカラーだけでなく、駐車環境やライフスタイルに合わせて選ぶことで性能を長期間維持することができます。
専門店は当然のように知っていることでも、ディーラーで依頼したりDIYで施工する場合は知らないまま選ぶことになってしまう知識も多くあります。
カーコーティングのコストパフォーマンスを高めるために最も必要なのは、正しい知識かもしれません。

カーコーティングの種類とその選び方を解説していきますので、参考にしてみてください。

目次

コーティングの種類

カーケミカルの複数サンプルイメージ

コーティングには大きく分けて以下の5種類があります。

  • 油脂系コーティング
  • ポリマーコーティング
  • ガラス系コーティング
  • ガラスコーティング
  • セラミックコーティング

中でも最も注意が必要なのが「ガラス“系“コーティング」で、ガラスコーティングとは別のものです。
ガラスコーティングとガラス系の違いは?セラミックとは?5種類を比較しながらひとつひとつ解説していきます。

油脂系コーティング(固形ワックス)

固形ワックス塗り込み

メリット

・光沢、ツヤに優れる

・撥水性が高い

・非常に低コストでDIYでも施工可能

デメリット

・耐久性が低い(2週間程度)

・熱に弱く、効果の持続性が悪い

・ほこりなど吸着する作用があり汚れやすい

一般的にワックスと呼ばれるものも、広い意味ではコーティングの一種と言えます。
その原料はカルナバ蝋というヤシから採れる天然の蝋ですが、比較的安価な石油原料の蝋を使った製品もあります。
ワックスの主成分は油脂のため、水を嫌う(弾く)性質があり撥水性に優れています。

また塗装面を油脂の膜で覆うことで、光沢やツヤが向上します。
一方、塗装面に結合しないため雨水などで徐々に流れ落ちてしまう上に熱にも弱く、他のコーティングに比べ耐久性も低くなっています。
市販のワックスは安いもので1,000円以下からあり、ガラスコーティングなどの硬化するものに比べ塗り込みの難易度も低いため、DIYで頻繁に施工する方にとってはコストパフォーマンスに優れたものと言えます。

ポリマーコーティング(樹脂系コーティング)

ポリマーコーティングのイメージ

メリット

・コーティングの中では比較的安価

・施工性が高く、DIYでも施工可能

・施工可能店が多い(ガソリンスタンド等)

・小さな傷が目立たなくなる

デメリット

・耐久性が高くない(3ヶ月程度)

・熱などの原因で劣化しやすい

・被膜が薄く、ツヤや光沢の向上は控えめ

カー用品店などで市販されている中で、缶スプレー状や液体ボトルで販売されることが多いポリマーコーティング。
一般的に液体ワックスと呼ばれる商品は基本的にすべてこれに含まれます。
フッ素やシリコンなどが含まれた重合体(ポリマー)を成分とした樹脂コーティング剤で、従来のワックスに代わるボディコーティング剤として注目されました。

コーティング施工後の塗膜の性質としては固形ワックスに近いもので、成分に油脂を含むため撥水性に優れるなどのメリットもあります。
しかしデメリットも同様で、油脂の酸化による被膜の劣化や、排気ガスを含むほこりなど有機物の汚れを寄せ付けてしまいます。
被膜を維持するためには3ヶ月程度で再施工が必要なため、ワックスと同じく頻繁にお手入れできる方向けになります。

ガラス系コーティング

スプレー系コーティング剤の散布

メリット

・耐久性はポリマーコーティングより長め(3ヶ月~1年程度)

・ガラスコーティングより多少安価

・DIYも可能な施工性

デメリット

・商品によって質にばらつきがありすぎる

・名前のイメージと違う商品が多い

コーティングのなかで最も注意が必要なのがこのガラス“系”コーティング。
専門店が自信をもっておすすめするガラスコーティングとは全く別の物です。
そもそもガラス“系“コーティングとは、原材料にガラス繊維が含まれているコーティング剤の総称です。

含有量などに明確な定義はないためガラス成分の含有量もまちまちで、ポリマーコーティング剤にほんの少量のガラス繊維が含まれているだけのものも多く販売されています。
名称だけ見ればガラスコーティングに近い性質を想像しますが、実際はポリマーコーティングの一種です。
もちろん中にはガラス含有量が多くコストパフォーマンスに優れた製品もあるためすべてのガラス系コーティングが悪いわけではありません。

しかし純粋なガラス被膜を作るガラスコーティングとの違いはしっかりと認識した上で選択しましょう。

ガラスコーティング

ガラスコーティングの塗布とイメージ画像

メリット

・耐久性、持続性に優れる(約2~3年)

・耐熱性が高く、紫外線や熱による塗装面のダメージを抑える

・ツヤや輝きが向上する

・防汚性に優れ、お手入れが楽になる

・硬いガラス被膜により細かい傷からボディを守る

デメリット

・施工費用が高価

・施工期間が長い(約2日)

・イオンデポジットが出来やすい

・施工難易度が高くDIYは困難

現在のカーコーティング業界の主力であるガラスコーティング。
塗装の表面に100%ガラス被膜を形成するため、傷や汚れから大切なボディを守ることが可能です。
またポリマーコーティングに比べ被膜が厚く、美しいツヤと光沢を実現できます。

もちろん雨水で被膜が流れ落ちるようなこともありません。
またガラス被膜は成分に油脂を含まない無機質のため熱による酸化や劣化もなく、排気ガス、黄砂、花粉、虫などの有機系汚れが付着しづらい性質があります。
汚れが付いても水洗いで簡単に落とせるため日常の洗車やお手入れが非常に楽になります。

一方で無機系汚れであるイオンデポジットを寄せ付けてしまう性質があります。
イオンデポジットの原因は水道水などに多く含まれるミネラル分のため、ガラスコーティング施工車は洗車後にしっかり拭き上げて予防することが大切です。
ガラスコーティング剤は空気に触れると徐々に硬化してしまうため塗布時にムラになりやすく、DIYでの施工は困難なためコーティング専門店に依頼する必要があります。

安心して任せられるショップさえあれば、最もおすすめなのがこのガラスコーティングです。

セラミックコーティング

セラミックコーティングの塗布

メリット

・ガラスコーティングを超える耐久性(約3~5年)

・硬度、防汚性でガラスを上回る

・ガラスよりも被膜が厚く、圧倒的な光沢

・酸性、アルカリ性のいずれの薬品にも耐性が高い

デメリット

・施工費用が非常に高額(ガラスコーティングのおよそ2倍)

・施工難易度が高く専門店でしか施工できない

近年施工店が増加してきているセラミックコーティング。
ガラスよりも硬度の高い被膜を形成するこのセラミックコーティングの性能は、硬度は高く防汚性や耐薬品性に優れ、被膜も厚いためツヤや光沢も向上する。
まさにガラスコーティングの上位互換のような性質です。

しかし施工難易度は非常に高くなっています。

塗りムラになってしまった場合、セラミック被膜が硬すぎてやり直しに非常に時間がかかります。

また、セラミックコーティング剤は温度が高いとすぐに硬化してしまうため、施工環境を一定温度以下に保つ必要があります。
しかし塗布後は完全硬化させるために今度は表面温度を上げなくてはなりません。

このように職人の技術、設備環境の両面で高いレベルが求められるコーティングとなっています。
そのうえ原材料も高価なため、必然的に施工費用も高額です。
ガラスコーティングおよそ2回分の費用がかかるため、プロテクションフィルム等の選択肢との比較も可能です。
予算や使用環境を伝えた上で専門店のアドバイスを聞いてみることをおすすめします。

以上カーコーティングを5種類紹介してきました。

次の選び方のポイントとなる、水の弾きかたについて解説していきます。

撥水・親水・疎水の違い

親水~疎水~撥水の説明画像

コーティングといえば玉のように弾く水をイメージする方も多いのではないでしょうか?しかしコーティングの水の弾き方には種類があります。
種類による性質の違いを理解して、選択に役立ててください。

撥水

撥水施工と未施工

撥水コーティングは、水を弾く性質を持っています。

これにより水滴は小さな球状となってボディの上をコロコロと転がるように流れます。
イメージ的には水滴がボディの上に半分浮いているような状態になるため、少量の水であれば通常の速度で走行しているだけでも風で流れ落ちてしまう上に洗車後の拭き上げも非常に楽になります。
一般的にカーコーティングといえばこちらのタイプを想像される方が多く、効果が実感しやすく満足度の高い仕上がりになります。

一方で、濡れたまま太陽の下に晒してしまうと水玉がレンズ代わりとなってウォータースポットになりやすいという特徴もあるため注意が必要です。

親水

親水コーティングイメージ

親水コーティングは、水となじむ性質を持っています。

文字通り水との親和性が高く、水滴がボディの上で広がります。
そのため他の水滴とまとまりやすく、結果的に大きな水の膜となって流れ落ちる特徴があります。
ある程度の雨であれば水滴と一緒に汚れも流れてしまうため、セルフクリーニング効果も高いと言えます。

一方で、ツヤ感や光沢は撥水性に比べ控えめなため、コーティングがかかっている実感を得づらく満足度に欠ける面もあります。

疎水

疎水コーティングとは、撥水と親水の中間の性質を持っています。
撥水しながらも水がまとまってボディを滑り落ちることから滑水性と呼ばれることもあります。
撥水のように球状になるため拭き取りもしやすく、親水のように流れ落ちるためイオンデポジットが出来づらい。
まさに撥水と親水のいいとこ取りのような性質です。

一方で、小雨のように車にかかる水の量が少ないと撥水のように水玉がボディに残ってしまうため、親水に比べイオンデポジットが出来やすいと言えます。
コーティングに求めるものがはっきりしている場合は中間の性能である疎水性は中途半端に感じる場合もあります。

水弾き3種類の選び方

いずれの性能にもメリット・デメリットがありますので、駐車環境や洗車の頻度などをもとに選択するのが良いかと思います。
ひとつ注意点として、親水性のボディだからイオンデポジットになりづらいわけではありません。

親水コーティングは

水玉がまとまって大きくなりやすい

→自重で流れ落ちやすい

→水滴がボディ上に残りづらい

→イオンデポジットになりづらい

ということです。
親水コーティングでも水滴をそのままにするとイオンデポジットになってしまうのは一緒なので、どうせ拭くのならば拭き取りのしやすい撥水コーティングにするのもまた選択肢のひとつです。

まとめ

撥水イメージ

コーティングの種類と水弾き。この2つがコーティングを選ぶ際のポイントです。
駐車環境や洗車の頻度によって選択することがコーティングを長持ちさせるための秘訣です。
ご自身のライフスタイルをもとに専門店に相談してみましょう。

ここまでご覧いただきありがとうございました。
よきカーライフをお過ごしください!

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